対象疾患

生活習慣病

テレビなどのマスコミで毎日必ずどこかの番組で話題となっています。

生活習慣病とは字の如く、生活習慣に問題があって生じる疾患です。高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、肥満などがこれに当たります。どの疾患も単独で存在しているだけで大きな合併症を引き起こしますが、これらの病気を複数持っている方も大勢おられ健康を脅かされています。

これらの病気に共通したキーワードは“無症状と動脈硬化”です。無症状のために放置し、ある日突然、脳梗塞、心筋梗塞などの病気が起こってしまうのです。

複数の病気を持っていた場合、動脈硬化の進行も速くなり脳梗塞、心筋梗塞になる確率も増えます。各々の病気を確実に治療し、コントロールすることで動脈硬化性疾患から回避できるのです。

ページの先頭に戻る

糖尿病

我が国では近年急激に糖尿病の患者数が増加しています。世界の糖尿病人口は3億8,670万人に増加し約半数は糖尿病の自覚がありません。

2012年我が国の糖尿病患者数は950万人といわれ、予備軍を含めると2,050万人。実に国民の5人に1人が糖代謝の障害を疑われております。糖尿病は放置することで様々な合併症を引き起こします。糖尿病の合併症の多くは一度進行すると元の状態には戻すことはほぼありません。

早期に診断し、治療を行うことで合併症の進行を抑えることができます。糖尿病の治療は生活習慣が絡んでくるため非常に困難を極めることがあります。

糖尿病専門医以外の医師の中には糖尿病に対して甘く考えている医師も多く、合併症が進行した段階で初めて専門医を紹介することが少なくありません。しかし、進行した状態では、ある程度の治療を行うことはできても、既に進行してしまった合併症を治すことは残念ながら出来ません。

適切な治療を行うためには、糖尿病に対して深い知識と経験を持つ糖尿病専門医に早い段階から受診することをお勧めします。

ページの先頭に戻る

甲状腺疾患

甲状腺は喉の上にある約3cm程度の小さな臓器です。この小さな臓器からは甲状腺ホルモンが分泌されています。甲状腺ホルモンは一言で言うと「元気になるホルモン」で、人間が生きていく上で必要不可欠なホルモンです。

甲状腺の病気は大きく分けて、分泌されるホルモンが多くなる甲状腺機能亢進症、分泌されるホルモンが少なくなる甲状腺機能低下症、甲状腺腫瘍の3つに分けられます。

甲状腺機能亢進症の症状は急激な体重減少、動悸、発汗が多い、下痢気味、震え、眼球突出、一部には喉の痛みなどの症状で発見されます。甲状腺機能低下症の症状は体重増加、寒がり、動作が緩慢、便秘傾向などがあります。 いずれの病態も心臓を中心とした体全体に異常を来たし、最悪の場合には死に至ることもある病気です。上記のような症状が認められるようでしたら受診をお勧めします。

甲状腺腫瘍は良性のものも悪性のものもあります。多くは良性腫瘍ですが、症状に乏しく、的確な触診や超音波検査などの検査を行わない限り発見できないものもあります。

もし自分で首を触ってみて不安に思うようであれば、受診してください。

適切な治療方針を立て、治療してまいります。また時には放射線治療や手術を要する場合もあります。手術を必要とされる場合、甲状腺は特に神経や血管が多く治療経験が非常に大事であり、東京の伊藤病院の私の信頼しているDrを紹介しております。

ページの先頭に戻る

高血圧症

生活習慣病といわれる病気の中で最も多く約3.600万人が「高血圧」だと推定されています。

高血圧の発症初期の時点では症状もなく、何事もなく生活できます。このため、自分で血圧測定をしない限り、なかなか発見することができません。また血圧が高いと言われても症状が無いために放置してしまう傾向があります。

しかし無症状の高血圧を放置することで、動脈硬化は進行し、脳梗塞、心筋梗塞、動脈瘤、高血圧眼症などの多くの合併症を引き起こします。

また、他の生活習慣病と合併するケースも多く、この場合動脈硬化の進行する速度が早くなり、重大な合併症を引き起こす確率も増加します。

高血圧と判った時点で治療し、このような合併症が起こらないようにすることが大切です。

よく薬を飲みたくないという方もおられますが、長期間放置することでより動脈硬化が進んでしまい、当初から治療をすれば1剤の内服で済んでいたはずが、多剤を用いても治療が困難に陥っていることとなってしまいます。 「血圧が高めですね」と言われたら自己診断せずに、早い時点で受診しましょう。

ページの先頭に戻る

脂質異常症

この病気は全くといって自覚症状のない病気で放置されることの多い病気です。

また、健康診断などで血液検査を行わない限り、気が付くことがありません。しかし現代社会において、食生活の欧米化に伴い確実に脂質異常症の患者数は増加しています。

脂質異常の状態が続くと動脈硬化が進行し様々な合併症を引き起こします。脂質異常症は悪玉コレステロールの増加する高コレステロール血症、中性脂肪が増加する高中性脂肪血症、善玉コレステロールが低下する低HDLコレステロール血症に分類されます。

これら全てを有している場合も少なくありません。いずれの病態においても動脈硬化性疾患といわれる脳梗塞、心筋梗塞などの血管の病気を発生させる可能性があります。

「私は脂質異常症ではないのか?」と思われるのであれば受診して血液検査を行うことをお勧めします。

ページの先頭に戻る

高尿酸血症

高尿酸血症と言われてもピンとこないかもしれませんが、いわゆる痛風がこれにあたります。

高尿酸血症は多くの場合、無症状で経過することが多いものです。痛風発作が生じると、人が前を歩いただけでも痛いと言われます。発作症状の多くは足の親指の激痛です。

この痛みを乗り越えてしまうと再び症状が無くなるため放置されることもあります。しかし発作が起きた時点では既に高尿酸血症が何年も存在しているのです。放置することで腎機能障害による腎不全に至り透析をすることになったり、手足の関節痛が出現し、場合によっては関節が破壊されることもあります。

また他の生活習慣病と痛風を合併すると、動脈硬化による虚血性心疾患や脳血管障害を起こしやすくなります。痛風と診断されたら、これらの合併症がないかどうかを診断して適切に対処することが重要です。

ページの先頭に戻る

睡眠時無呼吸症候群

最近マスコミを賑わせている病気です。寝ている間に呼吸が止まり、体の中の酸素が欠乏して様々な合併症を引き起こします。その原因の7-8割は肥満と考えられ、現在では生活習慣病といっても過言ではなくなりました。しかし実際には肥満が原因ではなく、東アジア人特有の過去の食習慣が影響して、無呼吸に至る方も多いのです。実際に当院でも現在約1400名の無呼吸症候群の患者様がいらっしゃいますが、その約4割程度の方は肥満ではありません。 この病気の自覚症状は日中の眠気、熟眠感が無い、集中力がない、いくら寝ても眠い、起きた時に頭痛がする、夜間にトイレに行く回数が多いなどです。また睡眠中に家族や友人から“いびきがうるさい”“寝てるときに息が止まってたよ”などと指摘されて発見されることが多い病気です。高血圧や糖尿病との合併も多い疾患で、当院でも合併している方が多いのが現状です。

疑われた場合には簡易検査を行い、無呼吸症候群が確定した場合には終夜ポリソムノグラフィという1泊入院で行う検査を行っております。

ページの先頭に戻る